この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
どんなことがあっても〜晴臣side〜
みるみるうちに体力がなくなって生気を失っていくひま。目も虚ろで正直見ているのがツラいときもある。でもこれはあれだ。
治癒していく上での過程であって、これからどんどんよくなっていくはず。今はただ少し抗がん剤で弱ってるだけ。
なぁ、そうだろ……?
「晴くん……お願いが、あるの」
「ん? どうした?」
「みんなに、会いたい……」
「え……?」
力なく笑う弱々しいひまの笑顔に胸が痛む。みちがえるほど痩せてしまったのを見られるのが嫌だと言い、親友の海堂や歩にも会おうとしなかったひま。
「苑ちゃんや美奈ちゃん……天地くんに会いたい」
「わかった。連れてくる」
ひまのスマホには電源が入っていない。俺はひまの病気のことを海堂にも誰にも言えずにいた。
夜、早速歩に電話をかけた。自分の手が震えている。よくわからない焦燥感がいつも心にあった。俺はあいつの支えになってやれているのか。
そばにいたいってのは、俺の勝手なエゴなんじゃないか……。
歩に事情を説明すると絶句していた。
「治るんだよな……?」
「ああ」
治るに決まってる。
どの文献や参考書にも、白血病は今や治らない病気じゃないと書いてあった。