この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「ねぇ、お願い。あの子がどう生きたかを、しっかり晴くんにも理解してほしいの」
「わかり、ました……っ」
そう言われて断れるはずがなかった。同じ痛みを分かち合う者同士、通じるところがあったのも事実。なにより俺の痛みよりも、両親の痛みのほうが重いはずだ。
「どうぞ、散らかってるけど……」
「お邪魔、します」
マンションの部屋には一度だけ入ったことがある。だからなのか、懐かしい感じがした。ひまの家はひまと同じ匂いがする。
それだけでどうしようもないほど胸が締めつけられた。廊下の突き当たりにリビングがあり中へと通される。
ソファやダイニングテーブル、広々とした空間が広がっている。そんなリビングの隅っこに制服姿のひまの遺影と、棚の上には骨つぼが置かれていた。
遺影のひまは生前の元気だったときと同じように、写真の中から今にも飛び出してきそうなほどの満面の笑みを浮かべている。
「なにもないんだけど、よかったら食べてね」
お茶とお茶菓子を出され、頭を下げてリビングの椅子に座った。
おばさんはおもむろに引き出しを開けて、そこから封筒のようなものを取り出す。
「これ、ひまちゃんがあなたに宛てた手紙なの」
「え……」