この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
『2020年 11月16日
今日は病院で実乃梨さんに会った。
笑った顔が晴くんと似ていて、懐かしかった。
会いたいな……なんて。
自分から突き放したくせに矛盾してる。』
『2020年 11月18日
髪が抜けた。全部抜けた。
嫌だよ、せっかく伸ばしてたのに。
ツラい。いやだ。死にたい。
食欲もない。苦しい。
病人みたい。もう全部やだ。
あの人がニット帽を持ってきた。
私のこと、かわいそうだって目で見てた。
それがたまらなくいやだ。
ウザい。苦しい。そんな目で見ないで。
ガマンできなくてひどいことを言ってしまった。
きっと嫌われたよね……。』
『2020年 12月3日
あの人が会いにきた。
何食わぬ顔で、私のこと……嫌いになったわけじゃないらしい。
お母さんにも、お母さんがふたりいて、私にもそれでいいんじゃないかって言ってくれた。
そしたらね、心がスッと軽くなったの。
お母さんのこと、受け入れられた。
私は産みのお母さんが自分の中から消えていくのが嫌だった。大好きだったから。
でもね……心の奥底で、今のお母さんに愛されたいって……願ってる私がどこかにいたんだと思う。
ふたりとも、私の大切なお母さん。
そして今日、晴くんが会いにきた。
うれしかったけど、複雑。
もう戻るつもりはない。でも……好き。
ずっと見たかった笑顔がそこにあった。
絶対に諦めないって言われて……ホントはね、すごくうれしかったんだ。』