この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

『2020年 12月25日
晴くんは毎日会いにきてくれる。
クリスマスプレゼントのネックレスも、うれしかったな。
それにね……久しぶりのキスにもドキドキした。
幸せだった。
晴くんと再会してから、気持ちがすごく明るくなってる。
調子もいいような気がする。このまま元気になれるんじゃないかな。抗がん剤が効いてるといいな。
でも、採血結果はあまりよくないみたい。』

ひまの本音が綴られていて、ときどき胸が痛かった。

俺には一切弱音を吐かず、明るく前向きだったひま。

ここから日記は一月に突入した。

『2021年 1月15日
自分の病気を初めてネットで検索した。
私の白血病は珍しい型で予後不良だから、今までずっと見れなかったけれど。
怖いことばかり書いてあった。
今の抗がん剤が効かなかったら、私は……死ぬかも。3クールして効果がなかったら……打つ手なしだって。ちがうよね?だって、私元気だもん。
必ずよくなる。晴くんだってそう言ってた。
こんなに元気なのに……。効いてるよね?抗がん剤』

『2021年 1月25日
効いてなかった。もうダメ。やめるって言った。もう全部がどうでもいい。』

次からはもう日付けすら書かれなくなった。ノートになぐり書きのような荒々しい文字で、ひまの心情がうかがえた。

『もうやだ。死にたい。生きたくない。』

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