この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
放課後、苑ちゃんと話題のタピオカドリンク屋さんにやってきた。私はいちごミルクティー、苑ちゃんはヨーグルトジンジャーティーのタピオカ入りをそれぞれ注文。
話題なだけあってとっても美味しい。
「苑ちゃん、こっちも飲んでみる?」
「ありがとう、じゃあこっちも飲んでいいよ」
「やったー」
お互いの飲み物をシェアしながらきゃあきゃあ盛り上がる。学校やクラスのこと、最近の恋愛ドラマや漫画、好きなアイドルグループのこと。
苑ちゃんと一緒にいると話題が尽きなくて時間があっという間にすぎていく。いちごミルクティーも美味しくて一気に飲んでしまった。
「高校生になって一カ月とちょっとかぁ」
「早いよね」
「ひまりは好きな人とかいないの?」
「えっ!? 好きな人?」
苑ちゃんの言葉に驚きを隠せない。
「いないよ、そんなの全然いない」
「えー、本当? なんだかムキになってない? あっやしー!」
「な、なってない! なってないからっ!」
「あはは、そんなに必死に否定しなくても」
ケラケラと笑う苑ちゃんをじとっと見つめる。
「もうそんな目で見ないでよ、相変わらずかわいいなぁひまりは。私はひまりの保護者として心配してるの」
「心配?」
「ひまりの彼氏になる人は私のおメガネにかなった人じゃないと許さないんだから」
「あはは、なにそれ! 苑ちゃんは心配しすぎだよ」
面倒見がよくて姉御肌で頼れる苑ちゃん。いつも私を気にかけてくれてキツいこともバンバン言って容赦がないけど、私は苑ちゃんのそんなところが好きだなぁ。
「ふふ、そんな人ができたら苑ちゃんに一番に伝えるね」
「あったりまえでしょー! 教えてくれなきゃスネちゃうからね」
わざとプンプンと頬を膨らませる苑ちゃんに自然と笑顔が浮かぶ。
「苑ちゃんも、好きな人ができたら教えてね! で、いつかダブルデートできたらいいね」
「うわっ、なにそれ、楽しそう!」
顔を見合わせ笑顔になる。いつか本当にそんな未来が訪れるといいな。もう高校生だし彼氏とかに憧れるけど、その前にまず好きな人だよね。
好きな人……。
真っ先に頭に浮かんだのはなぜか日向くんの顔だった。