この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
よくわからないイライラ〜晴臣side〜
朝の騒がしい教室で机に伏せて寝たフリをしているとふと肩を叩かれた。
「晴、おはよう」
「…………」
せっかく人がいい気分で寝てたってのに、いつも邪魔しやがって。顔を上げて恨めしい視線を向けても、目の前のクラスメイト、天地歩はニッコリ笑っているだけ。
「おいおい、そんなに睨むなよ」
「べつに睨んでねーよ」
「ま、元から睨んでるような顔だもんな」
「…………」
はっきり言いすぎにもほどがあるだろ。
さらっとした艶のある髪をかきあげながら笑う歩は、中学の同級生でもあり一番の親友でもある。
黒髪で知的な歩はオシャレ眼鏡のせいか優等生っぽく見えるけど、はっきりズバズバものを言うし遠慮って言葉がこいつの中には欠落している。
それでもなぜか先生やクラスメイトからは頼りにされ、学年一の秀才という肩書きを持っている。サッカー部に所属していて、基本的には穏やかだがたまに毒舌。しかも俺に対してだけ。
見た目も悪くはなく、背も高いから表立って女子にモテモテだ。
「怒るなよ、冗談だろ」
「ふんっ」
「かわいいなぁ、晴は」
「はぁ?」
かわいい?
「いちいちムキになってそっぽ向くとこが、子どもみたいでかわいい」