この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
あの日の衝動をどう表現すればいいのかわからないが、高校生になってバスの中で再会してから気づかないうちに目で追うようになっていた。
席を譲ってくれようとしたときは、強がってカッコつけて最初は断ったけど結局情けない姿を見せてしまった。いちごののど飴は桃咲からだとすぐにわかった。
バスの中でいつも美味しそうに食べてたのを知ってたから、桃咲からだといいなって……。そんなふうに思った俺は相当イタい。それはもう頭を抱えるレベルだ。
「それにしても、晴は本当に女子に興味がないよな。中学のときは喧嘩ばっかだったし」
「それはあいつらが仕掛けてくるからだろ。俺は争いごとは嫌いなんだよ」
「夏休み明けに脱喧嘩宣言したときはビビッたけどな」
歩は過去の余計な出来事をよく覚えていやがる。好きで喧嘩ばっかしてたわけじゃない。目つきが悪くていちいち絡まれるせいだ。高校生になってからはパッタリなくなったからよかったけど。
「なになに? なんの話?」
「楽しそうじゃん」
話してるうちにいつも一緒にいるメンバーが次々とやってきて話に入ってくる。
「明倫の天使ちゃんの話だよ」
「あー、天使ちゃんね!」
「晴は明倫の天使ちゃんにも興味示さないからな」
ニヤッとしながら歩が笑う。
そう言う歩だって、ただ話題に乗っかってるだけで自分のことになると丁寧すぎるくらい慎重なくせに。ただ俺をからかって遊んでいるだけ。
「俺も一度明倫の天使ちゃん拝んでみたい! 今度部活が休みの日にみんなでバスに乗ろうぜ」