この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
桃咲が降りたあと歩は終始ニヤニヤしながら俺を見てきた。
「なんだよ」
「いやぁ、あの晴がひまりちゃんをなぁ」
確信を得たような顔で笑っているこいつが憎たらしい。
「バカにしてるだろ?」
「いやいや、俺はうれしいんだよ。三姉妹の中に男一人で育ったおまえは、いつも冷めた目で女子を見てたからな」
横暴な姉が二人にワガママな妹が一人、そんな中で育った俺の立場は弱く、ひたすら振り回されてきた。
だから女というものに苦手意識があり、学校でも極力関わらないようにしてたんだ。だって女って面倒だし、すぐ怒るし、ちょっと言ったら泣くし、泣けば許されると思ってやがるし。
「ひまりちゃんは晴にとって特別な子なんだろ?」
「なんだよ、特別って」
「すっげー優しかったよ、ひまりちゃんを見る晴の目は」
「そんなわけ……ないだろ」
桃咲が特別だなんてそんなわけがない。でも、強くそう言い返せなかった。