この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

モヤモヤ


週末。

バスに乗ってショッピングモールへ向かった。学校に向かう停留所の途中にある大きなショッピングモールには映画館もあって休日はすごく賑わっている。

カップルや家族連れが多くて、一人できている私はかなり浮いてしまっている。

もうすぐ苑ちゃんの誕生日なのでプレゼントを買いにきたんだけど、どんな物がいいかなぁ。

雑貨屋さんに入って流し見しているけど、どれも苑ちゃんにはピンとこなくてなにがいいのかさえもわからない。

狭い雑貨屋さんの通路を歩いていると前から歩いてきた人と肩がぶつかってしまった。

「すみません」

思わず頭を下げる。すると、向こうも同じように謝ってくれた。

「私こそよそ見しててごめんなさい」

大学生風の美人な人だった。女子の私でも見惚れてしまうほどふんわりした笑顔もお上品で目を奪われる。まるでモデルか女優さんみたい。

思わずポーッとしているとクスッと笑われてドキッとした。

「それじゃあ、どうも」

「あ、はい、すみません」

私ったら、つい見つめちゃうなんてどうかしてる。でも本当にきれいな人。

私も大学生になったらあんなふうに大人っぽくなれるかな。

憧れちゃうなぁ。

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