この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
帰りのバスでは時間をズラしたにも関わらず偶然にも日向くんに会ってしまった。
この前は日向くんの友達の天地くんも一緒だったけれど、どうやら今日は一人らしい。
「よう」
「あ……うん」
うまく笑えているかな。日向くんの顔を見られないよ。
「朝は寝坊でもしたのか?」
「え?」
「いや、バスに乗ってなかったから」
頬をかきながら言いにくそうに口を開く日向くん。私のこと、気にしてくれていたんだ。期待しちゃダメなのに顔がゆるみそうになる。
「今日は一本早いバスだったの」
「明日は?」
やけに真剣な声。まるで今日私が乗っていなかったのが寂しかったとでも言いたそうな表情。
ううん、そんなわけない。私のカン違いだ。
だって日向くんには彼女がいるんだから……。
胸が押しつぶされそうになって拳をギュッと握りしめる。
「あ、明日も一本早いバスかな」
本当は会いたい。でもこれ以上会うと自分の気持ちに歯止めがきかなくなりそうで怖い。ダメなのに期待してしまう私がいる。
「俺は会いたいんだけど」
え……?
ふと顔を上げると通路を挟んだ横並びの席で頬をうっすら赤くしている日向くんがいた。
カン違いしちゃダメ。
そんな意味で言ったんじゃないんだから。
友達として、きっとそういう意味。