この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
第二章〜きみに恋した〜
初恋
「ただいま」
「おかえり、ひまちゃん」
家に帰ると母親が慌ただしくバタバタしていた。そんな母親に向かって無意識に笑みを貼りつける。
「ごめんね、晶が熱出しちゃって今から病院に行くの。申し訳ないけど夕飯はなにか適当に済ませてくれる?」
「え、大丈夫?」
「ただの風邪だと思うんだけど、念のためにね。ごめんね」
「ううん、行ってらっしゃい」
ぐったりしたあきくんを抱えて家を出る母親を見送った。しばらくするとお父さんから連絡がきて、このまま二人のところに寄って帰ってくるらしい。
ひとりぼっちでちょっと寂しい。でも、こんなのは慣れっこだ。
中学一年生のときにお父さんが再婚するまで、昼間はずっとひとりだったから。
あきくん、大丈夫かな……。
そんなことをぼんやり考えながらリビングのソファで横になっていると、いつの間にか眠ってしまった。
目が覚めるとあたりは真っ暗で夜になっていた。
おぼつかない足取りでリビングの電気をつける。お腹が空いて冷蔵庫の中身をチェックしてみたけど、すぐに食べられるような物は入っていなかった。