この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「桃咲?」
名前を呼ばれてビックリした。だって二度目はないと思っていたから。ありえないよ、本当に。どんな偶然なの。
お腹が空いて我慢ができなくなり、お弁当を選んでいる最中にバッタリまた出くわすなんて。
こんな偶然が二度もあるんだ。
「ぐ、偶然だね」
「まぁ、な」
なぜだか気まずい空気が流れている。私はどんな顔をすればいいかわからなくて、とっさに目をそらした。
「またお姉さんにタピオカドリンク頼まれたの?」
「いや、今日は一緒にきてる」
え?
「晴ー、あんた早く選びなさいよ。さっさとしないと置いて帰るけど」
「最悪、こっちきたし……」
心底嫌そうな表情を浮かべる日向くん。
前から歩いてきたのはこの前ショッピングモールで見た美人さんだった。
一緒にきてるって……まさか。
「あら? あらあらあら? 誰なのかなぁ? この子は」
「うっせーな、関係ないだろ」
美人さんは日向くんの肩を抱きながらからかうように笑った。
「どうも、看護学生やってる姉の実乃梨です」
「えっ?」
お、お姉さん……?
美人さんはお姉さんだったんだ……?
私は固まったまま動けなかった。それと同時に胸にじわじわと安心感が広がっていく。
彼女だと思いこんでいたのは私のカン違いだったなんて。