この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

どうしよう、うれしい。今とてもホッとしちゃってる。

「姉ちゃんがいきなり入ってくるからビックリしてるだろ」

「あたしが悪いって言いたいの? 生意気ね、あんたは」

「そっちは横暴すぎるけどな」

「はぁ? あんたって子は」

二人のやり取りを見守りながら思わず頬がゆるむ。私ってとてつもなく単純だな。たったこれだけのことで気分が晴れやかになるなんて。

「は、初めまして、桃咲ひまりですっ! よろしくお願いします!」

緊張して声が震えた。しかも勢いよくお辞儀しすぎて二人に笑われてしまった。

「ひまりちゃんね。かわいいじゃないの。うん、あたしは気に入ったよ。晴、がんばりなさい。じゃあね」

「は? どこ行くんだよ?」

「彼氏がすぐそこまで迎えにきてるの。ひまりちゃん、晴臣は無愛想で無口なヤツだけどいい男だってことは保証するわよ。がんばってね」

実乃梨さんは私の肩をポンと叩いてからかわいく笑うと、スーパーの出口へと歩いて行った。

「マジでごめん、あいつが変なこと言って」

「ううん! 全然だよっ! カッコよくて美人でいいお姉さんだね」

「いや、かなり横暴で強引だぞ」

しかめっ面をしている日向くんがなんだかかわいく見える。お姉さんの前ではちゃんと年下の男の子なんだ。新たな一面を知れてすごくうれしいなんて。

これじゃあまるで日向くんが好きみたい……。

いや、好きみたいじゃなくて、好きなのかもしれない。もうここまできたら認めないわけにはいかないよ。

私は……日向くんが好き。

好きだと認めた途端、恥ずかしくてたまらなくなった。

「あの、じゃあ私はこれで」

「送るよ」

「いやいや、大丈夫だよ」

身振り手振りで否定する。とてもじゃないけど今二人きりになるのは避けたい。だってどんな顔をすればいいのかわからない。

「あいつときてる、とか?」

「え……?」

なぜだか鋭くなった日向くんの顔つき。ぴりっとした空気をまとって、威圧感に押しつぶされそうになる。

あいつ……?

「今日の帰りバスの中でやけに親しげだったよな」

今日の帰り……?

もしかして福島くんのこと……?

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