この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
苑ちゃんはそれでも心配そうな目を私に向ける。
それは小学五年生のとき──。
ある冬の日、微熱が続いて最初は風邪かなと思ったけど、風邪薬を飲んでも一向に微熱は引かなくて。そうこうしているうちに身体がダルくてダルくて起き上がれなくなった。
少しぶつけただけで痣になったり、貧血で何度も学校で倒れたり、そんな状態が一カ月続いて大学病院で診てもらうと『白血病』という診断名が私にくだされた。
白血病……血液のガン。
最初は戸惑うばかりで信じられなかった。まだ小学生だったから病気のことはよくわからなかったけど、お父さんが泣いてたから……。
きっと重大な病気なんだと思った。
入院しての抗がん剤治療はツラかったけど、その甲斐もあって私の身体から白血病細胞は消滅した。
最長で四年間、再発がなければ完治したと考えていいでしょう。主治医の先生にそう告げられてから、今年の冬で丸四年経つ。
苑ちゃんは入院しているときよくお見舞いにきて私を励ましてくれたっけ。ときには笑わせてくれて、苑ちゃんがいたから闘病生活を乗り切ることができた。
「あのときはありがとう」
「なに言ってるの、親友なんだから当たり前でしょ。私はいつだってひまりの幸せを願ってるんだからね」
「へへ、ありがとう」
優しい苑ちゃんが大好き。でもごめんね、日向くんのことはまだ言えない。だけどいつか絶対に話すから。それまで待っててくれるかな。
「ひまりは笑ってごまかすところがあるよね。なにかあったら絶対私に相談してね」
「うん、どうにもならないときは頼らせてもらうね」
私は笑顔で苑ちゃんにそう返した。