この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
三日後。
「おはよ、ひまり」
「あ、おはよう!」
学校に着くと同じクラスの海堂苑子ちゃんが真っ先に私の元へとやってきた。
苑ちゃんは私の小学校からの親友で、テニス部に所属している頼れる姉御肌タイプの大人びた女の子。スラッとしていて手足が長く、よく日に焼けている。
サラリと流れるポニーテールがトレードマークの美人さん。
人の意見をまとめたり、前に出て目立つのが得意な苑ちゃんは中学のときはテニス部のキャプテンをしていた。
「英語の小テストの予習やった?」
「あ! 忘れてた!」
「ふふ、だと思った〜! そんな苑ちゃんに、ヤマをまとめてきたよ」
「わ! ありがとう! さすがひまり!」
カバンの中のものを机にしまいながら、苑ちゃんにルーズリーフにまとめたものを渡す。
満面の笑みを浮かべる苑ちゃんがとてもまぶしい。
「すごいよね、ひまりは。みんなきっと小テストなんて気合い入ってないのに。真面目すぎる」
「そんなことないけど」
他愛もないこんなやり取りはいつもの日常。苑ちゃんと一緒にいると楽しくて気を遣わないからとても楽だ。
それにクラスも男女問わず仲がよくて、先月は親睦会を兼ねてみんなでカラオケに行った。
目立つグループの男子たちが盛り上げてくれて笑いが絶えず、クラス仲はよりいっそう深まった。
順風満帆な学校生活。友達も家族も親友もいてなんの不満もない。そんな私はそこそこ幸せに生きているほうだと思う。