この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
二日後、珍しくバスに日向くんと天地くんが乗っていた。天地くんは日向くんの友達で、爽やか系のメガネ男子。
「ひまりちゃん、久しぶりだね」
「うん、久しぶり」
人懐っこい天地くんとはすぐに打ち解けた。スッと心に入り込んでくるような優しい笑顔が、警戒心を失くさせるんだと思う。それに日向くんの友達だから、きっといい人。
「聞いてよ、こいつね最近めちゃくちゃ浮かれてんの」
「え? 日向くんが?」
「そう!」
なぜかニンマリ笑う天地くんは、なにかを企んでいそうな顔だ。
「学校でも頬がゆるみっぱなしだし、特に放課後が近づいてくるとそわそわしちゃってさ」
「おい、変なこと言ってんじゃねーよ!」
「なんだよ、ホントのことだろ? ところでさ、ひまりちゃんは彼氏とかいんの?」
「え? い、いないよ、彼氏なんて」
「そっかそっか。じゃあ好きなヤツは?」
「好きな、ヤツ?」
ドキッ。
急に隣に座る日向くんを意識してしまい、徐々に顔が熱くなった。
「あはは、わかりやすっ。いるんだ?」
「……っ」
天地くんって優しそうに見えて実は意地悪なんだ?
なにも言い返せずにいると、強引にそうだと決めつけられてしまった。
しかもなぜか日向くんの顔を見て意味深に笑っているし、もしかしたら気づかれているのかもしれない。頭がキレるタイプというか、天才肌っぽく見えなくもない。