この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「こいつもね、初恋なんだよ」
「歩、おまえ……マジでシメる」
「初恋……? 日向くんが?」
「そう! 優しい俺は、それをそーっと見守って……んぐっ」
「マジで黙れって」
日向くんが天地くんの口元を手で押さえた。なんとなく焦っているように見える日向くんの横顔。
初恋……。
そっか、好きな人がいるんだ……?
ズキンと胸が痛んだ。ズキズキヒリヒリして、どんどん広がっていく。
まさか好きな子がいるなんて……。
日向くんに好きになってもらえるなんて羨ましい……。
どんな子なんだろう……。
「桃咲には関係ないから」
冷たくそう言い放ち、プイとそっぽを向かれた。
私には関係ない……。
そうだよね。
だったら私はいったい日向くんのなんなのかな?
友達?
それって残酷すぎるよ。
涙が出そうになって歯を食いしばる。タイミングよく私が降りる停留所に着いたのでそっと立ち上がった。
一刻も早くこの場を離れたいなんて、日向くんと一緒にいて初めてだよ。
「おいおい、そんな言い方するなよ。ひまりちゃん、こいつ照れてるだけだから」
「照れてねーし!」
「あはは……うん。私には関係ないよね。その女の子とがんばってね。バイバイ」
こんなセリフ本当は言いたくなかった。でも、日向くんが私を突き放そうとするから。
私ってバカだ……。
なんでもないフリをして手を振ったくせに。
がんばってねなんて言っておいて泣きそうになってるなんて。