この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

メッセージひとつにこんなにもうれしい気持ちになるなんて、私ってなんて単純なんだろう。

喜びを噛みしめていると、立て続けにメッセージが届いた。

『今、外?』

『うん、そうだよ』

『俺も今バス停から家まで歩いてる。夕焼け、めちゃくちゃきれいだよな』

「夕焼け……?」

私は空を見上げた。オレンジ色の中にところどころ薄紫色が混ざって幻想的な雰囲気を放っている。

たしかに、すごくきれい。これからゆっくり夜になっていくのか。

徐々に闇がおりてきて暗くなっていく瞬間がたまらなく好き。一日の終わりを実感できて、今日もがんばったな、いい日だったなって、しみじみと振り返ることができる唯一の時間だから。

この空を日向くんも見ているって考えたらすごいことだ。

『めちゃくちゃきれいだね!私、夕焼け空が一番好き』

『俺も!これ見たら、なにがあってもいい日だったなって思える』

『わかる!明日もいい日になりそうだよね』

朝の気まずい空気なんてウソみたいにメッセージのやり取りが弾んだ。

『明日の朝は会えんの?』

ドキン。

『うん、会えるよ』

『そっか、じゃあいい日になるな』

「…………」

どう解釈すればいいかわからなかった。

でもきっと、なんとなく明日はいい日になる。

そんな気がした。

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