この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

「え、えと」

「いいから受け取れ」

そう言われてしまい返すこともできず、手のひらに乗った袋を見つめる。

このブランドロゴ、どこかで見たな……。

「この前、言いかたきつくて悪かったな」

この前……?

「歩が変なこと言ったから、ついあんな言いかた……」

そう言われてふとこの前のそっけない態度が蘇った。

『桃咲には関係ないから』

もしかして気にしてくれていたのかな。お詫びのしるしってこと……?そんなの全然気にしなくていいのに。

そっと中身を見て私はさらに驚いた。

「これ……! なんで?」

入っていたのはこの前一緒に行ったショッピングモールで見た四つ葉のクローバーのピン留めだった。

どうしてこれを日向くんが……?

「もらって、いいの?」

そう聞くと日向くんは小さく頷いてくれた。

どうしよう、涙が出そうなほどうれしい……。

「ありがとう! 一生大切にするねっ!」

思わず声を弾ませると日向くんは一瞬ポカンとした表情になった。そしておかしそうに目を細めて噴き出す。

「はは、大げさ」

「そんなことないよ、すごくうれしい。本当にありがとう」

これを買うのは勇気がいったはずだよね。どんな顔でお店に行ったのかな。私がかわいいって言ったの覚えてくれてたんだ?

そう考えたらニヤけてしまう。

日向くんの優しさがうれしくてたまらない。

私と同じ気持ちでいてくれていたらいいのに……。なんて、そんなことばっかり考えちゃうよ。

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