この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

学校祭、一般公開の土曜日。

昨日も今日も天気がよくてすごしやすい気候だった。動き回ってたら汗だくになるけど、コスプレカフェは大繁盛で今日も朝から大忙しだ。

もうすでに暑くて、私の額には汗がにじんでいる。

「タピオカドリンク四つお願い」

オーダーを裏に伝える。アイドルのコスプレをしていると、お客さんからの視線がひしひしと刺さってものすごくイタい。

ううっ、昨日もめちゃくちゃ見られたけど、今日はさらに見られてる気がする。きっと似合わないんだろうな……。

だけどせっかくの学校祭だからと自分に言い聞かせ、なんとか接客をしているところだ。

「うっわ、やべ。天使ちゃん、超かわいい」

「足細っ、色、白っ! マジで天使だな」

特に今日は他校の男子高生の姿が多く見られる。

「おまえ、話しかけてみろよ」

「連絡先ぐらいは聞きたいよな」

「やめとけって、相手にされるわけねーだろ」

楽しそうに繰り広げられる会話。

ぐるりと見回してみても、教室の中に日向くんの姿は見当たらない。

昨日メッセージでクラスを伝えておいたけど、はっきり約束をしたわけじゃない。でも頷いてくれたから期待はしてる。

「誰かくるの?」

福島くんが挙動不振気味の私に首をかしげた。彼は裏でオーダーが入ったタピオカドリンクを作ってくれている。

「さっきからチラチラ入口気にしすぎだよ」

うっ、バレてたんだ。恥ずかしすぎる。

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