この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
日向くんはそんな声に耳をかさず、ただまっすぐに男子たちを睨んでいた。
「こいつは俺のだから」
唐突に肩を引き寄せられて密着する。ドキドキと高鳴る鼓動。
今、なんて言った……?
まさかと耳を疑う。
「手ぇ出すな」
日向くんの言葉に思考が停止した。頭が真っ白になって正常に作動してくれない。
「ええ!?」
「どういうことー?」
「桃咲さんと北央のプリンスって、付き合ってるの? 年上の彼女は?」
「あたしは北央の子と付き合ってるって聞いたよ!」
「俺、ショックだわ……」
ざわつく教室内、固まって動けずにいると日向くんが耳元に唇を寄せてきた。
「中庭で待ってる」
そう言い残すとわき目も振らずまるでざわつく声なんて聞こえていないかのように、スタスタと教室を出て行く。
「桃咲さん」
「え、わぁ!」
ふと気がつくと福島くんが目の前に立っていた。
注目を浴びたからなのか、さっきの男子たちもすっかり大人しくなっている。
居心地が悪かったのか、飲み物を持ってそそくさと行ってしまった。その姿を見てホッとしつつ息を吐く。
「大丈夫だった?」
「あ、うん! 全然大丈夫だよ!」
「っていうか、ひまちゃん! どういうことー?」
「え?」
「北央のプリンスと付き合ってるの?」