この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
誰にも渡さない〜晴臣side〜
「晴」
「なんだよ」
「止まれって、おい」
「うっせーな、黙ってついてこいよ」
中庭から校舎を横切ってやみくもに進む。
「なんで不機嫌なんだよ」
「べつに……そんなんじゃないし」
よくわからないモヤモヤが胸の中に渦まいている。男が桃咲の手首をつかんでいるのを見てかなりカッとなった。
イライラがこみ上げてきて、気づいたら桃咲の肩を抱いて大衆の前であんな発言を。
「おいおい、真っ赤だぞ」
「うっせー……!」
あー、くそっ。イタいだろ、あんなの。でも、身体が勝手に動いてた。理屈じゃないなにかが、胸に沸き起こって止められなかった。
桃咲にとって迷惑だったかもしれないのに。いや、迷惑でしかないだろあんなの。今になってそんな考えがよぎった。
俺、なにやってんだよ……。
「今度は真っ青。それに、なに頭抱えてんだよ」
「やりすぎたかもしれない……」
「なにしたんだよ?」
「言いたくない」
「まぁ、でも俺は仲良くなると人懐っこくて世話焼きのおまえが好きだよ。本当は好きなくせに、やけにクールぶって素直になれないところもかわいいと思ってる。ぷっ、くくっ」
「笑ってんじゃねーかよ!」