この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「危ないだろ。こんな夜遅くにひとりで出歩くなんて」
なにかあったらって考えたら心配でたまらない。こいつ、チビだしふわふわしすぎで頼りないから。守ってやらなきゃって、不思議とそんな気にさせられる。
「大丈夫だよ、私を襲う人なんていないから」
「そう思ってんのは桃咲だけだ」
「あはは、そんなことないって」
今のは多分愛想笑いだ。桃咲と一緒にいるようになって少しだけわかるようになった。
「桃咲は女なんだから、もうちょい自覚しろ」
「自覚……?」
「かわいいってこと、自覚しろよ」
「え!?」
おもむろに目を見開く桃咲。街灯の下で弱々しい瞳が動揺するように揺れた。
「きょ、今日の日向くん、変だよ」
うつむきながらたどたどしく口にする桃咲に胸が締めつけられる。
「変、かもな……そうだよな」
自分でもよくわかってる。桃咲を前にすると冷静じゃいられなくなるってことは。
「私ね……日向くんに出会うまでは心がマヒしちゃってたの」
桃咲はそう言ってフッと笑った。