この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「あのさ」
「へっ!?」
不意に声をかけられなんともマヌケな声が出た。
な、なんで?
驚きすぎて目を見開く私の前に澄まし顔の日向くんの姿がある。わざわざ席を立って私のところまできたらしい。
日向くんは背が高くて、見上げなきゃ顔が見えない。そばにいるだけで意識してしまい心拍数が上がっていく。
「これ」
日向くんはそんな私に学ランのポケットからなにかを取り出し渡してきた。
その手にはスティックタイプのいちごのど飴があった。
「あ……」
これ。
この前、私が置いて帰ったやつだ。
「あんたがくれたんだろ?」
「喉……すごくツラそうだったから。余計なことしてごめんなさいっ!」
のど飴は未開封のまま開けられていない。
寝てる間にカバンの上に置いたんだから当たり前だ。誰からかわからない物なんて、普通は食べられないに決まっている。しかも日向くんにとって私はほぼ知らない相手だろうし。
少し考えたらわかることなのに、あのときはあまりにもツラそうな日向くんを放っておけなかった。
迷惑だったよね。
私のバカ。絶対引かれてるよ。
その証拠に鋭い視線を向けられている。