この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

小学五年生で病気をしてから私は、いつも……いつだって本音を隠して笑ってる。

表向きはうまく取り繕って必死に家族のフリをしながら、すごしてきた。そうしているうちに、どうしたら心から笑えるのかわからなくなった。

心がマヒしたようになにも感じなくて、薄暗いトンネルの中にいるような……。

でも……日向くんといるときだけは心が突き動かされるんだ。

ぶっきらぼうだけど誰よりも優しくて温かいきみのこと、いつの間にかこんなに好きになってるなんて……。

風が吹き、ざわざわと葉っぱが揺れる。

どんよりした空からは今にも雨が降り出しそうだった。

ポツポツ。

パーカーのフードをかぶって雨宿りできそうな場所はないかと小走りで公園内を走る。

けれど雨よけできそうな場所はない。

雨はすぐにザーザー降りになり、滝に打たれたように一瞬で地面に水たまりができた。

「きゃあ」

なにかにつまづいた拍子に水たまりに思いっきり前のめりで突っ込み、ずぶ濡れになった。

「うう……っ」

顔の周りが雨水で冷たい。全身もぐちゃぐちゃだ。

最悪だよ、ついてなさすぎる。

なにやってるんだろう……。

バカ、みたい。

こんなみっともない自分が情けなさすぎて笑えてくる。

< 81 / 242 >

この作品をシェア

pagetop