この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

「怪我は?」

足をひねったのか、立ち上がった瞬間右足がズキンと痛んだ。でも歩けないことはない。

「大丈夫だよ」

「桃咲ってウソがヘタだな。足、痛いんだろ?」

言い当てられてギクッとした。どうして日向くんにはわかっちゃうんだろう。

「大丈夫だよ、ズキズキするけど歩けなくはないから」

「いやいや、それ、大丈夫って言わないから」

そう言われてしまっては、もうなにも言い返せない。日向くんって意外と心配性なんだ。

「ったく、ちょっとこれ持って」

えっ?

傘を渡されとっさに受け取る。そして次に日向くんは私を両手で軽々と持ち上げた。お姫様抱っこの格好だ。

「ひゅ、日向くん……! 大丈夫だから、おろして」

こんなの恥ずかしすぎて無理だよ。

「いいからおとなしくしてろって」

「や、やだっ」

「はぁ?」

「うっ……」

すぐ近くに日向くんの顔がある。キリッとした目で見られてドキドキした。密着しすぎているせいで体温が上昇していく。

「風邪引くから着替えに戻るぞ」

そう言って私の住むマンションの部屋まで抱きかかえてくれた。

緊張から傘を持つ手が震えてうつむいていただけの私。

「入って、タオル出すから」

< 83 / 242 >

この作品をシェア

pagetop