この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
うまく傘がさせなかったせいで日向くんの服も濡れている。私はスリッパを出して日向くんを招き入れた。
だけど日向くんは玄関先から動こうとしない。
「どうしたの?」
「いや、家の人とかいるんじゃないの?」
「今は出かけてるから大丈夫だよ。だから、どうぞ」
そう言うと日向くんはためらいがちにスリッパを履いて歩いてきた。バスルームからタオルを出して手渡し、私の部屋に案内する。
どこか緊張したような面持ちで日向くんはキョロキョロと部屋を見回した。
「散らかっててごめんね、適当に座ってね」
黙ったままラグの上に座る日向くん。
私は部屋を出てバスルームで着替えを済ませた。泥水でパーカーが茶色くなっている。顔にも泥が跳ねて、なんともマヌケな顔だ。水できれいに洗い落としてドライヤーで髪を乾かした。
リビングで温かい飲み物を入れて部屋へ戻る。
「これ、よかったらどうぞ」
「サンキュー」
しばらく温かい飲み物を飲んで暖を取った。
部屋の中はシーンとしていて緊張感が増してくる。さっきまでなんとも思わなかったのにドキドキしてきちゃった。
家に入れるとか、大胆すぎたかな?
いやいや、友達だもん。それくらいするよ。苑ちゃんだってしょっちゅう私の部屋にくるもん。それと同じ。