この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「足は大丈夫か?」
「あ、うん。左足でかばいながらだと、なんとか歩けるよ。さっきはありがとう」
「無理すんなよ」
「うん、大丈夫だよ」
日向くんの優しさに胸がジーンと熱くなる。
チラッと様子をうかがうと、日向くんは私をまっすぐに見つめていた。
「それ、くせ?」
「え?」
くせ……?
髪の毛かな?
とっさに手で触った。
「いや、髪じゃなくて。桃咲、いつも『大丈夫』って言うだろ。全然そんなふうに見えないのに、強がるくせがあるのかなって」
「…………」
くせというか、ほぼ無意識。誰にも迷惑をかけないようにって思ってきたから。
「私、小学五年生のときに白血病になったの……」
自分から誰かにこの話をするのは初めてだった。
白血病……。
口にしただけで、当時の記憶が蘇って胸が押しつぶされそうになる。
「白血病……?」
驚いて目を見開く日向くんに私は笑顔を崩さない。
「とはいっても、白血病細胞が消えてもうすぐ四年が経つんだけどね」
「?」
ますますポカンとする日向くん。
「えーっと、抗がん剤で身体の中の白血病細胞が死んだの。でも、すべてが死滅したかどうかはまだわからなくて……二年以内に再発するケースもあるみたい。だけどね、死滅してから四年経過すると完治したっていえるんだ」