この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
第三章〜きみへの想い〜
友達以上恋人未満
学校祭が終わって約十日。
七月に入って照りつける日差しが強くなった。今年は猛暑になるらしく、まだ梅雨が明けていないというのにものすごく暑い。
紫陽花も枯れてあと一週間もすれば梅雨が明けるとニュースで言っていた。
今年はどんな夏になるのかな。去年は受験で大変だったぶん、今年はたくさん遊びたいと思ってるんだよね。
「桃咲さん」
バス停の日陰に立っていると福島くんが走ってきた。半歩端に寄ってふたりで並んで立つ。
「今日はバスなんだね」
「うん、寄るとこあるからさ」
「そっか。来週からテストだなんて憂うつだなぁ」
「けど、終わると夏休みだよ。テストの範囲で俺がわかるところなら教えられるよ」
なにげなくつぶやいた言葉に丁寧に返してくれる福島くん。
「ありがとう! 英語でわからないところがあるんだよね」
「どこ? あとで教えるよ」
「助かる」
そんな会話をしているとバスがきて停まった。扉が開いて一番に確認するのは日向くんの存在。無意識に目が日向くんを探し始める。
あ、いた……!
口元がわずかにゆるむのを抑えられなかった。日向くんも私に気づいて笑ってくれる。いつもは日向くんの隣だけど、今日は福島くんがいるから一番うしろの席だ。