この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
日向くんは私のうしろの福島くんにすぐに気がついた。それまで笑っていたのに、福島くんを見て真顔になる。
なんだかものすごく不機嫌なような……。
「ひま」
「え……?」
ひ、ひま?
私の、名前……?
日向くんとバチッと目が合った。
「どこ行くんだよ?」
手首をつかまれ引き止められる。そして隣に座れと言わんばかりに彼は窓際へ寄ってひとりぶんのスペースを空けた。
「ひまの席はここだろ?」
「え、あ、でも」
福島くんを振り返ると彼は学校祭で見て日向くんを知っていたのか、特別驚きはしていないようだった。それどころか優しく微笑んでいる。
「夜、連絡するから」
「あ、うん。ごめんね」
「いいって」
そう言って私を追いこすと一番うしろの席に座る。私も恐る恐る日向くんの隣に腰をおろした。
「お疲れさま」
「…………」
なにか言いたそうに窓の外に目を向けて唇をへの字に曲げている。
「日向くん?」
「晴臣……」
「え?」
「そう呼べよ。俺もひまって呼ぶから」
照れくさそうな顔がこっちに振り向いた。力強いけれど動揺しているようにわずかに揺れる瞳。私の手を握ったままの手も、かすかに震えている。
「じゃあ……晴くんって呼ぶね」
晴くん。
晴くん……。
晴くん……!