この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「助かった」
「え?」
「それに席も譲ってくれただろ?」
「……」
「意識がもうろうとしてたから、はっきり覚えてなかったけど……目が合ったし、なんとなく直感であんたかなって」
あ、あれ。
変に思われたわけではなかった?
まさかの展開に思考が追いつかず、突っ立ったままの状態で固まる。
「もらったのはあっという間になくなったから。これ、お返し」
「え、と」
「同じので悪いけど」
そんなふうに思ってくれてたんだ?
表情を変えずにそう言い、日向くんはどこかぎこちなく自分の髪を触る。
迷惑だって言われても仕方のないことをしたのに、わざわざ新しく買い直してくれたの?
私が勝手にしたことなのに、そう言ってくれるなんて意外だった。
「ありがとう、ございます」
おずおずと手を差し出せば、日向くんがそこにのど飴を乗せてくれる。軽く指先が触れて、慌てて手を引っ込めた。
うう、恥ずかしい。
「こっちこそ、どーも」
日向くんの口元がゆるやかに微笑み、クールな印象から優しい雰囲気に変わる。
カッコいいなぁなんて改めてそんなふうに思い、胸の奥がチリッと熱くなった。
あの日から余計に日向くんを意識しちゃってる。
触れた手がいつまでも熱くて、そこだけやけにじんじんしていた。