この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「歩がうるさくてごめん」
「ううん、全然だよっ! 楽しい人だね」
「こう見えて学年一の秀才だよ、俺は」
「え? そうなの? すごいね!」
「いやいや、それほどでも」
天地くんは只者ではない雰囲気をまとっているから、頭がキレるタイプかと予想はしてたけど、まさか学年一だったとは。
「晴は万年最下位だけど」
プッとわざとらしく笑ってからかう天地くん。
「おまえ、余計なこと言うんじゃねーよ」
「やればできるのにやらねーんだもん。晴が本気になれば、俺なんかよりも全然すごいのに」
え、ウソ?
そうなの?
晴くんって、すごいんだ?
「ひまりちゃん、今疑ったでしょ?」
「えっ……!?」
「はは、わかりやすいなぁ」
うっ。
「でも、ホントだよ。晴はやればできるヤツなんだ。姉ちゃんふたりも国立の大学に通ってるもん。妹も名門中学の学年トップだし」
「そうなんだ」
「だからおまえは……余計なこと言いすぎなんだよ」
「いいだろー、俺が言わなきゃなんも言わねーよ、ひまりちゃん。こいつ、自分の話、ほとんど人にしないから」
「男はベラベラ語るもんじゃないだろ」
「変なとこ古風だよな、おまえ。ひまりちゃん、こいつ昔ね……」
天地くんは明るくそう言って晴くんの昔の話をしてくれた。
昔はいじめられっ子だったという晴くんは、いじめっ子を見返したくて空手を習うようになったとか。
そして黒帯まで昇級し、見事にいじめっ子を撃退したんだって。
「基本的に負けず嫌いなんだよ。でも、今度のライバルは手強そうだぞ、晴」
天地くんは福島くんをチラ見して意味深に笑った。