この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「おはよう、晴くん」
「…………」
晴くんは私と目が合うとフリーズしたように固まった。話しかけても返事がなくて不安になる。
聞こえてなかったのかな?
でも、思いっきり目は合ってるんだけど……。
「あ、あの、晴くん?」
いったい、どうしちゃったの?
顔の前で手をあおぐとハッとしたように我に返った。
「よ、よう!」
そして晴くんは私からパッと目をそらしてそっぽを向いてしまった。
「どうかしたの?」
「べつに、なんも」
そんなふうには見えないんだけど……。
晴くんの私服は学校祭で一度見ているとはいえ、今日はきれい目にキメていてとてもおしゃれだ。その証拠に電車の中の女の子たちからの視線を独り占めにしている。
目の前のカップルの女の子も、彼氏そっちのけで晴くんに見惚れているし、どれだけモテるのかな。
告白とか、たくさんされるよね。
隣にいるのが私で申し訳ないけど、晴くんを好きになっちゃったから……。誘ってもらえてうれしかった。
「ここだな」
電車を降りてからは地図アプリを頼りにスイーツビュッフェの場所に向かう。晴くんが足を止めたのは、駅から少し歩いた大きなホテルの前だった。
「す、すごいね。豪華そう」
しばしの間、呆然とホテルを見上げて立ち尽くす。晴くんも、ここまで高級だとは思っていなかったみたい。