KANATA~answers of your selection~
オレは最終手段に出た。


オレだけじゃなく、皆待ってる。


目の前にあるインターフォンをなかなか押せないまま時間ばかりが過ぎていく。


メールを毎晩送った。


電話も何回もかけた。


けれど、辻村からの返事はなかった。


辻村との連絡手段が途絶えた今、こうするしか方法はないのだ。


犬の散歩をしているおばさんが咳払いをした後、オレに視線を投げ掛け去っていく。


オレは決心するしかなかった。


目を閉じ、人差し指に全ての力を注ぐ。


お願いだ。


出てくれ。



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