KANATA~answers of your selection~
だけど、オレはその瞬間のどれも未夢を幼なじみとしか見ていなかった。


未夢は明るくて元気で素直で良い子だ。


オレは未夢が幼なじみで、オレを支えてくれて、
見守ってくれて、本当に良かったと思ってる。


オレと出会ったこと、


オレを好きになったこと、


オレと笑ったこと、


オレに泣かされたこと、


オレを見つめてきた時間、


オレと過ごしてきた1分1秒。


その全てを後悔させないように、オレはオレなりの答えを出す。



「未夢」


「やだ。なんで涙が出てくるんだろう。まだ何も言われてないのに。さっきだって良を振ったのは未夢なのに」



泣いている女の子を放っておけるほど、オレは冷たいやつじゃない。


だけど、この肩を抱いてしまったら、未夢をオレの一瞬の良心で包み込んでしまったら、きっと未夢は前に進めなくなる。


だからオレは、未夢に1歩近づいてたった一言呟いた。



「未夢......ごめん」


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