キミが、消えた
僕はゆかりの魂の問いかけに応じることが出来なかった。僕の身勝手な故人への恋慕で今生きている人を苦しめている。そんなことが許されるのだろうか。
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僕とゆかりは家の自分の部屋で栞のお母さんからもらったアルバムを眺めていた。
僕と栞ばかり写っている写真は修学旅行や日常のひとコマがメインの構成となっていた。
「あら、この写真」
ゆかりが僕と栞が写っている写真を取り出し、後ろを眺めた。写真の裏には一文が添えられていた。
大切なキミとの2ショット。
と書かれていた。
「大切なキミ、ねえ」
ゆかりは唇を尖らせて呟いた。僕は他の写真にも何か書いてあるかもしれないと思い、さっそく調べ始めた。
二人でおどけている写真の裏には、いつもと同じ、変わらない日常。と書かれていた。
「彼女はあなたのことが本当に好きだったのかな」
「分からない。単に友達として見ていただけかもしれないね」
「彼女の気持ちがわからないわ。でもあなただけの写真をアルバムに収めているぐらいだからきっと特別な感情を抱いていたのよ」
「そうかな」
「そうよ」
他の写真の裏にも僕を評価するコメントが書かれていた。しかし直接好きとかかれた写真は一枚もなく、それが僕達を困惑させた。
「ねえ、この写真。やっぱりあなたとの思い出をファイリングしたものじゃないの?」
「そうだね。でも直接好きと書かれた写真はないから、そうとも言い切れないんだよ」
「なんだか複雑な展開になってきたわね。残されたライバルのことも少しは考えて欲しいわ」
「ゆかり、俺、栞の家に行って他の遺品を借りてくるよ」
「どうして」
「このままだと気持ちに踏ん切りが付かないよ。次の恋に進めないし。キミにも申し訳ないからね」
「浩二君」
僕はゆかりを見つめ、ありのままの気持ちを打ち明けた。
するとゆかりは唐突にキスをしてきた。僕は驚いたが、そのキスを受け入れた。
「死んでる人には出来ないものね」
「ゆかり」
ゆかりは唇を離して、笑顔を見せた。
「これが私のファーストキス。あなたは?」
「僕も初めてだよ」
僕がそういうと、ゆかりは笑い出した。そして、やった、栞ちゃんに勝ったと叫んだ。
「ごめんね。あまりにも嬉しくて、つい」
「ううん、気にしないで」
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僕とゆかりは家の自分の部屋で栞のお母さんからもらったアルバムを眺めていた。
僕と栞ばかり写っている写真は修学旅行や日常のひとコマがメインの構成となっていた。
「あら、この写真」
ゆかりが僕と栞が写っている写真を取り出し、後ろを眺めた。写真の裏には一文が添えられていた。
大切なキミとの2ショット。
と書かれていた。
「大切なキミ、ねえ」
ゆかりは唇を尖らせて呟いた。僕は他の写真にも何か書いてあるかもしれないと思い、さっそく調べ始めた。
二人でおどけている写真の裏には、いつもと同じ、変わらない日常。と書かれていた。
「彼女はあなたのことが本当に好きだったのかな」
「分からない。単に友達として見ていただけかもしれないね」
「彼女の気持ちがわからないわ。でもあなただけの写真をアルバムに収めているぐらいだからきっと特別な感情を抱いていたのよ」
「そうかな」
「そうよ」
他の写真の裏にも僕を評価するコメントが書かれていた。しかし直接好きとかかれた写真は一枚もなく、それが僕達を困惑させた。
「ねえ、この写真。やっぱりあなたとの思い出をファイリングしたものじゃないの?」
「そうだね。でも直接好きと書かれた写真はないから、そうとも言い切れないんだよ」
「なんだか複雑な展開になってきたわね。残されたライバルのことも少しは考えて欲しいわ」
「ゆかり、俺、栞の家に行って他の遺品を借りてくるよ」
「どうして」
「このままだと気持ちに踏ん切りが付かないよ。次の恋に進めないし。キミにも申し訳ないからね」
「浩二君」
僕はゆかりを見つめ、ありのままの気持ちを打ち明けた。
するとゆかりは唐突にキスをしてきた。僕は驚いたが、そのキスを受け入れた。
「死んでる人には出来ないものね」
「ゆかり」
ゆかりは唇を離して、笑顔を見せた。
「これが私のファーストキス。あなたは?」
「僕も初めてだよ」
僕がそういうと、ゆかりは笑い出した。そして、やった、栞ちゃんに勝ったと叫んだ。
「ごめんね。あまりにも嬉しくて、つい」
「ううん、気にしないで」
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