キミが、消えた
ある日の休日。僕は栞の自宅へ向かった。栞の家は新築したばかりで鉄筋コンクリートで出来た見事な建造物だった。僕がインターホンを押すと、栞のお母さんが出迎えてくれた。そして僕はお母さんに栞の僕への遺品が他にないか確認に来た旨を告げると、家に招いてくれた。
栞の部屋は螺旋階段を上った先の二階にある。僕は階段をゆっくりと登り、二階へと辿り着いた。
栞の部屋は二階の隅にある。部屋のドアには彼女のネームプレートが掛けられていた。
僕は一回息を飲んでから部屋に入った。
こざっぱりとした室内は女っ気がなく、どちらかというと男性的な部屋だった。でも幾つものぬいぐるみがベッドに立てかけられていたり、綺麗なワンピースが掛けられていたりと、僕は彼女の部屋からユニセックスな印象を受けた。現実に存在した彼女は女性らしい容姿の女の子だったから、部屋とのギャップに僕は少しだけ戸惑った。
早速僕は彼女の机の引き出しを開けたり、本棚の本を調べたりしてみたが、特に遺品らしいものは見つからなかった。やはりあのアルバムだけで終わりなのだろうか。
そう考えていた僕の視界に、日記帳が飛び込んできた。本棚の本の上に横になってしまわれていた。
僕は勇気を出して慎重に日記帳を取り出すと、意を決して開いた。
しかし日記にはページをめくっても何も書かれておらず、僕は落胆した。
と、そのとき、日記帳から封筒が滑り落ちてきた。僕はその封筒を拾い上げ、誰宛の手紙なのかを確認したが、表面には何も書かれてはいなかった。
僕は一体何が書かれているのか気になって、つい封筒を開いてしまった。そこにはしっかりと彼女の字で書かれた手紙が入っていた。
大切なあなた、浩二君へ。
この手紙が読まれているということは、私は何らかの理由でこの世にはいないのでしょう。
でもそんなことはどうでもいいんです。あなたに直接気持ちを伝えられるのが嬉しいです。私は浩二君のことがずっと好きでした。
きっかけは小学校のとき。下校中に雨が降って雨宿りしていたら、あなたが私に傘を渡して、自分はフードをかぶって全力疾走していったときのことです。心が揺れ動きました。これが恋なんだ、と思いました。それから私はあなたと一緒に犬の散歩をするのが楽しみで楽しみでしようがありませんでした。
栞の部屋は螺旋階段を上った先の二階にある。僕は階段をゆっくりと登り、二階へと辿り着いた。
栞の部屋は二階の隅にある。部屋のドアには彼女のネームプレートが掛けられていた。
僕は一回息を飲んでから部屋に入った。
こざっぱりとした室内は女っ気がなく、どちらかというと男性的な部屋だった。でも幾つものぬいぐるみがベッドに立てかけられていたり、綺麗なワンピースが掛けられていたりと、僕は彼女の部屋からユニセックスな印象を受けた。現実に存在した彼女は女性らしい容姿の女の子だったから、部屋とのギャップに僕は少しだけ戸惑った。
早速僕は彼女の机の引き出しを開けたり、本棚の本を調べたりしてみたが、特に遺品らしいものは見つからなかった。やはりあのアルバムだけで終わりなのだろうか。
そう考えていた僕の視界に、日記帳が飛び込んできた。本棚の本の上に横になってしまわれていた。
僕は勇気を出して慎重に日記帳を取り出すと、意を決して開いた。
しかし日記にはページをめくっても何も書かれておらず、僕は落胆した。
と、そのとき、日記帳から封筒が滑り落ちてきた。僕はその封筒を拾い上げ、誰宛の手紙なのかを確認したが、表面には何も書かれてはいなかった。
僕は一体何が書かれているのか気になって、つい封筒を開いてしまった。そこにはしっかりと彼女の字で書かれた手紙が入っていた。
大切なあなた、浩二君へ。
この手紙が読まれているということは、私は何らかの理由でこの世にはいないのでしょう。
でもそんなことはどうでもいいんです。あなたに直接気持ちを伝えられるのが嬉しいです。私は浩二君のことがずっと好きでした。
きっかけは小学校のとき。下校中に雨が降って雨宿りしていたら、あなたが私に傘を渡して、自分はフードをかぶって全力疾走していったときのことです。心が揺れ動きました。これが恋なんだ、と思いました。それから私はあなたと一緒に犬の散歩をするのが楽しみで楽しみでしようがありませんでした。