「好き」はきっと二分の一
高校生になってから、朝は頑張って早起きすることにしている。だって、幸せな時間があるから。
「行ってきます!」
夏用の高校の制服に着替え、私、蒼井若葉(あおいわかば)は家を出る。腕時計を見ると、まだ七時になったばかり。七月になってから気温はグンと上がった。
少しずつ高くなっていく気温を感じながら、私は高校に向かって自転車を走らせた。
私の通っている青橋高校は、一学年で八十人しかいない生徒数の少ない学校。おまけに進学より就職の人の方が圧倒的に多いんだ。
私が自転車置き場に自転車を停めていると、部活の朝練なのか数人の生徒が体育館へと入っていった。今は静かな学校も、あと三十分もすれば賑やかになる。
その三十分の間は、私にとって特別な大切な時間。自転車の鍵をしっかりかけて、私は早足で一年一組の教室へと向かう。
「先生!おはようございます!!」
教室では、百九十センチ近い身長でラグビー選手みたいにゴツい体の男の先生がいた。この学校の数学の先生、山口忍(やまぐちしのぶ)先生だ。
「行ってきます!」
夏用の高校の制服に着替え、私、蒼井若葉(あおいわかば)は家を出る。腕時計を見ると、まだ七時になったばかり。七月になってから気温はグンと上がった。
少しずつ高くなっていく気温を感じながら、私は高校に向かって自転車を走らせた。
私の通っている青橋高校は、一学年で八十人しかいない生徒数の少ない学校。おまけに進学より就職の人の方が圧倒的に多いんだ。
私が自転車置き場に自転車を停めていると、部活の朝練なのか数人の生徒が体育館へと入っていった。今は静かな学校も、あと三十分もすれば賑やかになる。
その三十分の間は、私にとって特別な大切な時間。自転車の鍵をしっかりかけて、私は早足で一年一組の教室へと向かう。
「先生!おはようございます!!」
教室では、百九十センチ近い身長でラグビー選手みたいにゴツい体の男の先生がいた。この学校の数学の先生、山口忍(やまぐちしのぶ)先生だ。
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