「好き」はきっと二分の一
「若葉、おはよう。じゃあ早速だけどプリントをやっていこうか」

「はい!」

私は椅子に座り、置かれたプリントの問題を解いていく。私が問題を解いている間、先生は窓の外をずっと見ていた。

朝はいつも、山口先生に数学を教えてもらっている。早朝の特別な補習時間だ。高校に入学した四月からずっと続いている。

それには事情がある。私の手元にあるプリントの問題を見れば明白だよ。

+3+−1=

+2+−2=

プラスとマイナスの計算。これは、中学一年生で習うものだよね。私はそのプリントを何度も解いている。

私は小学生の頃から算数が苦手だった。そして、LDという発達障害があることがわかった。LDというのは、知的発達の遅れはないものの読み書きや計算などを苦手とするもの。

私は、小学校と中学校は算数と数学は別の教室で受けてきた。でも、高校ではみんなと一緒に受けるしかない。

成績がグッと下がることを心配した私に、山口先生が声をかけてくれたんだ。それからはこうして毎日頑張ってる。
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