「好き」はきっと二分の一
さらに、私がプリントを完成させた時に先生が押してくれたスタンプは、スヌーピーの可愛いスタンプだった。普段、授業で押してくれるスタンプは「よくできました」という普通のものなのに。

「先生、意外すぎ！！」

もう怖いとはちっとも思わなかった。私は「可愛い」と言って笑ってしまう。先生は優しく微笑んでいてくれた。

先生のギャップに驚いたけど、私も可愛いものが好きだから、プリントが終わった後に「この画像、可愛くないですか？」と先生と話したりするんだ。ちなみに、先生が可愛いものが好きっていうのはみんなにはナイショ。私しか知らないってなんか楽しい。

今日もプリントを三枚終わらせる。二枚はプラスとマイナスの計算のもの、もう一枚は授業でやっている確率の問題。確率の問題は先生に教えてもらいながらやったけど。

「先生はどうして数学の先生になろうって思ったんですか？」

私が訊ねると、「数学が楽しいからだよ」と先生は子どもみたいに無邪気に笑う。そして、プリントの裏を裏返した。
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