オシャレって怖い？〜魔法使いと冒険へ！〜

宮殿の中を先生と歩いていると、先生が言った。

「今回は、怖いオシャレではないかな」

「えっ！？」

次はどんなことを言われるんだろう、とちょっと緊張していたあたしの体の力が一気に抜ける。よかった〜……。

「ほら、あの人を見て」

玉座と思われる立派な席にラフな格好をした女性が座っていた。でも、こんな格好をしているってことはここで働いている人？だとしたら、玉座に座ってるってヤバくない？

「先生、あの人って……」

あたしが先生に訊こうとした刹那、同じようにラフな格好をした人が入ってきた。あ、あの人終わった……。

あたしが違う意味で緊張していると、部屋に入ってきた人が玉座の前で跪く。ん？何で？

「王女様、お呼びでしょうか？」

「ええっ！？あの人って王族だったの！？」

大声で驚くあたしを見て、先生がクスクス笑う。だって、王族の着ている服ってもっと豪華なものってイメージしかないし。

「当時の王族は、ハリウッド映画みたいな格好はしてなかったんだ。だってエジプトは暑いしね。あのファラオも毎日は金色のヘッドギアをかぶってなかったらしい」