オシャレって怖い？〜魔法使いと冒険へ！〜

ホームルームが終わり、友達と喋っているうちに先生が入ってきた。途端にクラスはアイドルのコンサートのように女子が騒ぐ。……まあ、あたしもその一人なんだけど。

「先生〜！！」

「愛してる〜！！」

「はいはい、わかったから騒がないで」

苦笑しながら入ってきたのは、可愛い系の顔立ちの男性。アイドルグループに入っていても違和感はない。

先生の名前は、多賀（たが）ユキト先生。去年からこの学校に来た先生で、人気者なんだ。

「今日は、産業革命について勉強したいと思います」

先生はそう言ってプリントを配っていく。あたしの席は教卓の真ん前。先生としっかり目が合い、ニコリと微笑んだ。先生も優しく笑いかけてくれたんだけど、「ん？」と呟きあたしの顔をジッと見つめる。胸が高鳴っちゃうよ〜。

メイクを変えたことに気づいてくれたのかな？だとしたらめちゃくちゃ嬉しいんだけど。

喜んでいるあたしだったけど、先生は授業を進めていく。あたしは慌てて話に集中することにした。世界史は苦手だもん。ちゃんと聞かなきゃわからなくなる。