この子は俺の彼女だから。
運命の人
私の人生どうなってしまうのでしょうか。
「───────界さん、僕と付き合っってください!!」
「・・・ごめんなさい」
目の前にいた男子は「やっぱりそうだよね・・・」と、寂しそうに笑った。
その顔を見て私は「で、でも、ありがとう」と、付け足す。
それを聞いた男子は少し微笑んでから、私に背を向けて走って校舎裏から行ってしまった。
「あれ、また告られてたの?」
「うん、まぁ」
教室へ戻ると、まだ朝のホームルームも始まってないのにお菓子を頬張る新田蒼(にいだあお)がいた。
蒼は高校に入ってからできた友達だ。
性格は面倒くさがりで自由奔放。それに反して見た目はキレイ系だ。
「今日で、えーっと、13・・・」
「12回目だよ。ほんとに申し訳ないな・・・」
勇気を振り絞って告白してくれたのに、12回も断っちゃって。
けど、あんまり知らない人達だったし、恋愛感情なんてなかったし・・・・・・抱きたくもないよ・・・
「・・・はぁ。まぁだ傷癒えてないの??1年は経ったでしょ、もう」
「うぅぅん・・・でもぉ」
中2の夏。好きだった先輩から告白されたけど、断った。友達も先輩のこと好きだったから。
あれ以来、恋愛なんて考えられないし、先輩以外考えられない。
私、重い女だよね・・・・・1年も引きずってんなんて・・・
「もう!前向きなよ!実愛は可愛いし、いい男ならそこら辺にいっぱいいっから!」
「・・・うぅ・・・でも、私重い女だし。そんな女、嫌いになっちゃうよみんな・・・」
「そんなことないって!ほら!今にでもあそこに実愛の運命の相手が・・・」
蒼がドアの方向を指さす。するとそこには・・・
「げっ・・・旭立・・・」
「わわわわたしの運命の・・・相手・・・・・・」
旭立夏雨(ひだちなつめ)は目付きが悪くて、みんなから恐れられている存在。
前に知り合いだと思って挨拶したら旭立くんで、睨まれた上に、無視されて素通りだった。
けど、確か旭立くんは1組・・・ここは5組だし・・・なんでいるんだろう。
「ねぇ、なんかクラスの中見てるよ」
蒼の言葉でまた旭立くんを見ると、確かにクラスの中を見渡していた。
誰か探してるのかな??
自分には関係ないな、と、旭立くんから目を離そうとしたその時。
「・・・・・・・・・っ!?」
目がガッチリ合ってしまった。ていうかめっちゃ見られてる・・・!!
私なにかしたっけ!?あ、あれかな、前に声掛けちゃった時の復讐とか!?
俺に容易く話しかけてんじゃねぇ、ぶっ殺してやる的な!?
わたし、殺されちゃうよッ!!!!!
「界・・・界実愛!!話がある!!」
きゃあああああ!!!来たァ!!!???呼ばれちゃったァ!!!!
「実愛。冷静に行け・・・生還を祈る・・・」
「あ、蒼!?助けてぇ!!!」
そう言ってみるが、蒼はグットサインをして、お菓子を食べ始めてしまう。
旭立くんを見ると、じっとこっちを見て、廊下に立っている。
私、まだいっぱい生きたかったなぁ。。
教室中がざわめく中、実愛は旭立の元へ行った。
< 1 / 2 >