少女Aのクリスマス
12月24日。
とうとうこの日がやってきた。
でも、先輩からの連絡は一切無い。
街はカップルで溢れかえっているが、私は一人。

私の心とは対照的に明るく賑やかな街をあてもなく歩いていた。

「ルチア」

突如聞こえた聞き覚えのある優しい声。
この声は…カリト先輩?!

人混みの中、私は懸命に先輩を探す。
会えるかもしれない…
ほんの少しでいいの…
カリト先輩に会いたい…!

「あっ…!」

数メートル先に先輩を見つけた。
私の心は一瞬にして明るくなった。
人混みをかき分け先輩の方へと進む。

「カリトせんぱ…」

「伊勢崎先輩♡」
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