天然なALTと振り向いてほしい男子高生の話
アン先生は、この学校にALTとして来ている。アメリカのロサンゼルス出身だと言っていた。

アメリカといえば、ハンバーガーやフライドポテトなどのジャンクフードが浮かぶ。そして肥満大国ということ。

ALTの先生がアメリカ人と聞いた時、太っている人かなと思っていた。小学校にいたアメリカ人のALTの先生も太ってたからね。

初めて英語科教室に入った時の驚きは、今でもすごく覚えている。

「Good morning(おはようございます)」

そう言って僕らに微笑んだのは、ウエストにリボンの巻かれた大人ガーリーなワンピースを着た細身の綺麗な女性だったから。

そして、一瞬で僕は恋に落ちてしまった。アン先生の笑顔をずっと見たくて、そばにいたくて、英会話の時間が楽しみになっていく。

でも、何の進展もないまま冬を迎えたんだ。



放課後、僕はすぐに英語科教室に向かう。今日は「英語クラブ」の活動の日だ。なんで僕が英語クラブに入っているかというと、理由は二つ。

「Ann!look at this!(これ見て!)」

僕は教室に入るなり、アン先生にスマホで撮った写真を見せる。写っているのはこの前家族と京都に行った時の写真。姉ちゃんが「インスタ映えするスポットに行きたい!」って言ったから行って来たんだ。
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