天然なALTと振り向いてほしい男子高生の話
「I like you too(私もあなたのことが好きよ)」

それは、生徒としてだ。いつも返事はこれ。本気だと思ってもらえない。天然ってこういう時困るんだよ……。

「……先生、絶対勘違いしてるでしょ」

気づいてもらえないのが悔しくて、生徒としてしか見てもらえないのが嫌で、僕はアン先生の頰に優しくキスを落とす。先生が僕にするように。でも、雪のような肌に触れた唇は、アン先生が僕にする時のように簡単には離れない。

「日本人は、キスは好きな人にしかしないよ?」

そう僕が言うと、アン先生は顔を真っ赤にする。まるでとリンゴみたいだ。その頰を見ていると、またキスをしたくなる。今度は……頰じゃなくて唇がいいな……。

少しでも意識してもらえたかな、と期待する僕だったけど、アン先生は顔を赤くしながら言ったんだ。

「私のマネしなくてもいいのよ?こういうのは、好きな人にしないと」

やっぱり気付いてもらえない……。僕は焦ったくなってしまう。ムカついて、アン先生を捕まえて壁に押し付けた。なんか、少女漫画みたいな展開だな。
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