星空は「好き」を繋ぐ明日への光
気づけばもう5月に差し掛かっていた。


私の身体は日に日に悪化して、もう学校にくることができるのもほんのわずか。



教室では悪口を言われることもなくなって完全に幽霊状態だ。私にとってはありがたいのだけれど。



「テスト終わったから、もう勉強したくない?」

「屋上に行きたい……」



私が答えると、呆れたように少し笑った先生。



「立ち入り禁止」

「先生が言っても説得力ない」

「はは、勉強に付き合わせて悪かったな」




私は少しだけ驚いて、先生を見上げた。

付き合わせて?

私の頭にはたくさんのハテナが浮かんでいる。


「花園の担任に頼まれだんだよ」

「担任……?」

「うん、花園には悪いけど、押しつけられた感じだな」


たしかに、担任は数学の先生だ。




別に悪くなんてない……。こんな暗くて、ひねくれ者の私に勉強を教えたくないのも当たり前。

引き受けた先生はよっぽど嫌だったと思う。

今さら傷ついたりなんかしない。

はずだけれど、先生にもそう思われてるのは少し嫌だった。


「でも俺は嫌々やってたわけじゃない」

「えっ」

「けっこう楽しかった、最近は話してくれるし」
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