星空は「好き」を繋ぐ明日への光

「世の中って全然平等じゃないのに、むかつくくらい時間だけは平等で。一分は60秒、一時間は60分、一日は24時間。どうせ同じだったら笑っていたいって思ったんだよ」

「うん」

「花園が笑った顔が好きって言ってくれたから。」

「っ……」

「俺も花園に助けられてたんだよ」


あぁ、世界はなんでこんなにも美しいんだろう。

唐突に思った。

先生は視線を空から私に移してやさしく笑った。

先生の笑った顔は輝いている。この大きな空と夜になると浮かぶ星と同じくらい輝いている。

先生の笑った顔が先生自身のことが好きで、好きで。どうしようもないくらい好きで。


どうして私はもっとはやく気づけなかったのだろう。

見方を変えるだけでこんなに美しいなんて……知る由もなくて。


同じ方向ばかりを見るんじゃなくて、少し方向を変えてみるだけで、きっと美しい世界は広がっている。広がっていた。