星空は「好き」を繋ぐ明日への光
よく晴れた春の日の朝。


四角に切り取られた空、春を感じさせる日差し、大きな木に咲き誇る桜を頬杖をつきながら眺めていた。


ひらひらと散っていく桜。

教室に差し込んでいる光のシャワー。

雲ひとつない青空を気持ちよさそうに飛び回る鳥。




ポカポカ陽気に吸い込まれて桜のようにキレイに儚く散ってしまいたいと思っているのは私だけだろう。








景色を眺めている時はすべての音がシャットアウトされ、周りの声なんて聞こえなくなってしまう。



「……の……は……はな……花園」


名前を呼ばれて視線を前に向けると、怪訝そうな顔で私を見つめる先生と目が合う。


私は頭を下げて先生の方に向き直った。


その瞬間聞こえてきたひそひそ声に眉を潜めながらも聞こえていないフリ。




なにを言われているかなんて自分が一番わかってる。


ぼーっとしてる私には注意するけれど、悪口を言っているクラスメイトには注意をしない先生に苛立ちを覚えるのもいつものこと。



今日の予定や時間割変更の知らせ、私にもじゅうぶん関係のあることなのに、私はまるで他人事のようにさらっと流す。


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