くちびるが忘れない
♪♪♪
ビクッ
「ごめん。待ってて」
私の上で矢野将太郎が甘いかすれた声で言い
ふわっと髪から頬まで撫で
短く優しいキスをして背を向けた
「はい。矢野です」
ビジネスモードに一瞬で戻った彼の声
私…
怖くて目を閉じた
見なくてもわかってるのに
現実から逃げる事なんて出来ないのに
薄暗い部屋で彼の携帯の光だけがリアル
さっきまでの
永遠に続くような
魔法の時間
動きたくない
だけど…
ココにはいられない
私…
最低だ
「奈生」
手早く服を着て立ち去ろうとした私の腕を
グィッと掴む矢野将太郎
電話を続けながらも私を鋭い目で見ていて
黒く光るその眼力に躯が固まる
だけど…
『…行かなきゃ。甲斐さんが…』
名前を出した瞬間に折れそうなほど強く握られて
『ィタッ』
引き寄せられた
「すいません。もう一度お願いします」
携帯を握り直して会話を続け
もう片方の手で私を押さえつける
私は最低で…どうしようもない女だけど
この男はズルい
ズルいよ…
せめてそっと出て行かせてよ
ビクッ
「ごめん。待ってて」
私の上で矢野将太郎が甘いかすれた声で言い
ふわっと髪から頬まで撫で
短く優しいキスをして背を向けた
「はい。矢野です」
ビジネスモードに一瞬で戻った彼の声
私…
怖くて目を閉じた
見なくてもわかってるのに
現実から逃げる事なんて出来ないのに
薄暗い部屋で彼の携帯の光だけがリアル
さっきまでの
永遠に続くような
魔法の時間
動きたくない
だけど…
ココにはいられない
私…
最低だ
「奈生」
手早く服を着て立ち去ろうとした私の腕を
グィッと掴む矢野将太郎
電話を続けながらも私を鋭い目で見ていて
黒く光るその眼力に躯が固まる
だけど…
『…行かなきゃ。甲斐さんが…』
名前を出した瞬間に折れそうなほど強く握られて
『ィタッ』
引き寄せられた
「すいません。もう一度お願いします」
携帯を握り直して会話を続け
もう片方の手で私を押さえつける
私は最低で…どうしようもない女だけど
この男はズルい
ズルいよ…
せめてそっと出て行かせてよ